2015年11月8日日曜日

AKBはミリオン維持にこだわるべきなのか?


▪ 新たな試みから見えるもの


AKBの次期シングルの発表にともない
いつもの握手会に加え、フォトセッション&囲み取材大会なるものが追加された。



前回乃木坂に一般流通盤の販売数で下回ったのを機に
ミリオン売り上げ維持の歪みについてあらためて疑問を呈してみた。

SKE48勝手にプロデューサー!: 乃木坂46はAKBを超えたのか?

この新たな試みは、握手売り上げの下がり基調を見据えた
したたかなテコ入れ策であり、部数の少ないメンバーの有効活用でもある。

あくまで僕は握手自体は接触のひとつの手段であり
もっと多彩なメンバーとの触れ合いを
提供すべきであるとの立場だったので、この試み自体は大賛成だ。

CDは一部であり、こういった体験を売りにするスタイル
自体はAKBの根幹であり否定されるべきではない。

だがやはり僕のように姉妹グループファンの場合、自グループ分とは別に
握手会拘束自体が増え続ける状況がメンバーにとって良いことなのかは甚だ疑問だ。


基本的には夢へのステップであるはずのグループへの在籍が
来る日も来る日も握手漬けでは
単に肥大化した組織を維持すること自体が目的化した
悪いサイクルに突入しているのでは?
と不安を憶えるのもムリは無い。



▪ AKBに漂う停滞感



連続ミリオン(オリコン的指標)にレコード大賞、紅白歌合戦など
いつまでAKBは旧体制的な価値観の上にあぐらをかき続けるのだろう?

旧来のアイドルフォーマットを踏襲しつつも
新たな価値やシステムを生み出していったAKBは旧体制にコミットしすぎた結果
がんじがらめで身動きが取れなくなっているようだ。

そこを突破していくことこそがSKEなどの姉妹グループであるべきだが
特にSKEは旧事務所からAKSに吸収されて以降、裁量が中央に
奪われファンの心情をないがしろにした施策が明らかに増えた結果
多くのファンの流出を止めることが出来なかった。


こういったAKB中心の姉妹グループを下部組織としか扱えない体制が
限界に近づいている。それは秋元康がプロデューサー引退をほのめかしつつ
それぞれのグループを独立したプロデューサー制にすることを示唆したことでも
明らかだろう。

AKBグループの真の可能性は地方に花を咲かせて地域とともに豊かになるという
夢の芽を生み出すことでもあるはずだ。



ヲタに「参勤交代」とも揶揄される姉妹グループありきのミリオン維持状態。


こんな旧体制的価値感の上にあぐらをかいて巨大化した組織を維持することに
固執したままでは、いずれ自滅の道をたどることは明らかだ。



▪ 珠理奈の打倒AKB宣言の行く先



先月のANNで珠理奈はあらためて打倒AKB宣言をしてくれた。

とかくSKEはAKBフォーマットをすぐ後ろから踏襲してきたわけだが
セールスの縮小傾向を見ても
このままの路線では既成の数値的な指標で超えることが出来ないのはもう明らかだろう。
玲奈ちゃん卒業もあり、そろそろ大きく枝分かれして良いタイミングだ。


以前から秋元康は現場の裁量を増やしているとのことだが
明確化するには、更に彼を統括プロデューサーとして姉妹グループごとに独立した
プロデューサー制に移行することが望ましい。それにともないSKEはAKSからの
独立やレコード会社移籍という流れに繫がれば申し分無いだろう。

中央集権化したままで姉妹グループの活動の自由度を押さえつけている現状が
AKBグループの停滞そのものに繋がっていることに気が付いてほしい。

AKB若手の伸び悩みが再三指摘されるのも
根本には「私たちが頑張らなくても」
(姉妹グループ動員してミリオン維持し続けるんでしょう?)
というシステムに由来する諦観が透けて見えるのは僕だけだろうか?


おそらく過剰な個別握手会の呪縛がなければ
あそこまでSKE主力メンバーが辞めることも無かったであろうし
AKSへの吸収がなければ、もっとファンやメンバーに寄り添った
独自展開を提供できていたであろう。

あきらかにSKEは(主に2013〜2014にかけて)システムとして押さえつけられた結果、
かつての巨大な地下アイドルとも言われた魅力が減退してしまったように思う。

姉妹グループが活躍することが再びAKBの隆盛にも繋がるというマクロ的視野に
立てなければAKBに次の10年はないだろう。


あらためて問う!ミリオン維持よりも
もっと大切なことがあるんじゃないですか?