2018年7月3日火曜日

良いスピーチとは?文春の総選挙コラムを読んで


週刊文春で総選挙のことが取り上げられていました。






と言っても、この時期よくあるスキャンダル記事ではなく、青木るえかさんという方の割とオタク的にのめり込んでる感のあるコラムでした。(昨年以外は全部現場で見てるとのこと)


ただ、そこは雑誌の性格上、ただのオタク視点では記事にならないわけで、それなりにバランスを取ったところで書かれていて、なるほどなと思わされました。



ざっくり言うと、中途半端にスピーチ慣れした上位16名の、身も蓋もない言い方をするとAKBグループバンザイ的な、ありがちなお題目を並べる内輪感の強いスピーチには興ざめだったといった様な内容でした。(おぎゆかには一服の清涼感があったとのこと)


一方で、むしろ100位から17位の少女たちの不器用な叫びにこそ、ギュッと旨みが詰まっているんだ!というような主張には、それな!とオタ心をくすぐられました。




言わんとしてることはわかります。




僕だって、基本的には魂の叫びが聞きたいのです。




ただただ無難な感謝のテンプレートを全国放送で垂れ流されても困ります。



中途半端にいいことを言おう、もっともらしいことを言おうとすると正直つまんないんです。



チャレンジがあれば大失敗してもいいと思う。

いやむしろしたほうがいい。



かつての須田亜香里は大失敗をかましてからめちゃめちゃ上手くなりました。スピーチ自体にそういったドラマがあったほうが面白いと思うんです。



そういう事故的なことも起こりかねないほどの胸の内の激り(たぎり)を、叫びを聞かせてほしいのです。(昨年の須藤凜々花はただの身勝手なテロやと思いますが)



かつて卒業生の加藤るみが言ってました。



「名スピーチは作るものではなく、出るもの」



そういう意味では、とめどなくあふれ出る感情を抑えきれず、まるでトランス状態の様に早口でまくし立てる荻野由佳は実に面白かった。出ちゃってましたね。彼女の抱えてきた並々ならぬアイドルへの渇望と情熱がストレートに口をついて出ていました。





個人的には他にも、珠理奈、須田、岡田奈々のスピーチが印象に残りました。



キャリアや立場をわきまえたベテランの珠理奈や須田からは、歴戦をくぐり抜け今なお最前線で戦う彼女たちならではの重みのある言葉が聞けたと思います。



順位も大事ですが、どれだけ”届く”スピーチができたかで順位以上のものを得られることもありますし、逆に言うとどれだけ順位が上でも、スピーチで本当にその順位にふさわしいかどうか、なんとなく透けて見えてしまうのが総選挙の怖いところ。



珠理奈、須田、岡田奈々のスピーチについてはまた別途語りたいと思います。