2018年6月29日金曜日

なぜ、須田は宮脇を上回ることができたのか?


そろそろ総選挙の話題も落ち着いてきた頃ですが、


今回のクライマックスはどこだったかな?とふと振り返ってみても、やはり3位発表の瞬間であることは概ね共通した認識かと思います。



<最終票数>

3位 宮脇咲良    141,106 (前回4位、82,803)

2位 須田亜香里   154,011 (前回6位、63,124)




両者ともに驚異的な伸び率でした。この順位としては割と僅差とも言える結果でしょう。


速報後でさえ、一般的に今回は珠理奈と咲良の争いとみられていましたが、蓋を開けてみれば、須田が恐ろしいほどの追い上げを見せました。




実際、珠理奈が一番勢いを恐れていた相手は須田でしょう。



そばにいるからこそわかる彼女の成長、特にここしばらくのメディア露出の勢いからくる影響力をひしひしと肌で感じていたはずです。



では単純にメディア露出の差のみによる、この結果なのでしょうか?




ざっくり言うと、両者がどこを向いていたのか?の差なのかなと思います。




このレベルの票数になるとコアなファンだけでどうこうなる世界ではありません。



選挙期間中話題になった須田の「ブス戦略」の記事より

AKB48選抜総選挙 指原の再来「ブス戦略」須田亜香里に注目(NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース



そもそも須田さんは今回の総選挙で、「ブスかどうか」を問いたいわけではないのです。彼女は前述したTwitterのアンケート結果を受けた5月29日、「総選挙を知っていても参加したことがない方に自分の票が反映される感覚を味わって欲しくて試みた企画。グループには可愛い子が大勢います。ぜひ今年の #世界選抜総選挙 は気になる子に投票して一緒にワクワクしてみませんか?」と問いかけました。広い視野からグループ全体やイベントそのものを盛り上げようとしているのです。



つまり、彼女は自分の世間のフックになる部分を利用して、より広い層へ向けて総選挙の窓口になろうとしていたわけです。



一方で咲良ちゃんが訴えていたことは「博多で獲った旗は、博多が引き継ぐ」です。


HKTのために指原莉乃の足跡を引き継ぎたい。療養中の盟友、兒玉遥の想いも背負い、”なこみく”をはじめとした後輩たちの道標にもなれたら、といったものでした。



グループは違えど仲間を思う気持ちは非常〜によくわかるのですが、視野が外の世界にまで届いてません。幅広い層を取り込めるような訴えも戦略も特に見受けられませんでした。今回最後の総選挙を宣言していたこともあり、地元だったり、HKT箱推しの支援票も相当あったであろうこその驚異的な票数でしたが、自分の仲間と支援者以外から支持を得ようとする動きは特に見られませんでした。



須田亜香里の作戦勝ちです。



決して咲良ちゃんがイマイチだったのではなく、須田が伸びすぎたのです。




世間のフックになる「ブス戦略」は見事に成功しました。でも、それは単なるきっかけです。(同じく「ブス戦略」記事より)


須田さんに、コアなファンだけでなく、ライトなファンが増えているのは、「ブスという立ち位置から謙虚に振る舞い、笑いを取っているから」だけではないでしょう。「私みたいなタイプが1位を取れば、多くのメンバーやコンプレックスを持つ人の目標になれる」と信じて明るく突き進む姿が人間性の豊かさを感じさせ、「ドラマティックなシンデレラストーリーを見届けたい」と思わせているのです。


視野を広く持ち、コアなファンでなくても共感しやすい、乗っかりやすいストーリーを提示することで、幅広い層へ向けてわかりやすい受け皿となれたことが、最大の勝因でしょう。


もっとも、それが普段の真摯でファンを裏切らないサービス精神や人柄、努力を惜しまぬ姿勢に裏打ちされていることは言うまでもありません。