「私移籍して4年目なんですけど、最初は楽しくできればいいやとか、自分が楽しく過ごせればいいやの気持ちで正直やってました」
7月13日、チームS「重ねた足跡」公演
アンコール後のMCにおいて、らんらんこと山内鈴蘭が珍しく真面目な口調で自らの想いを語り出した。
「最近はどのチームにも負けたくないとか...」
色々な意味で他のチームに追いつけていない現状をなんとかしたいという思い、選抜総選挙でも圏外で終わった自身の不甲斐なさも含めて、
このままじゃダメだ!
という想いがあふれ出る。
「Sは後輩メンバーが増えて、先輩メンバーは私と都築だけになってしまって...チームSはここ半年でいろんなことがありました。なので私は、この役を誰がやるかって考えた時に私しかいないと思って、腹をくくってやると決めました!」
その言葉を待ってました!とばかりに、ド熱い拍手と声援が飛び交う!
一瞬涙ぐむ鈴蘭。
副リーダー犬塚あさなが卒業して、チーム Sはいままた新たな局面を迎えている。
彼女が果たしてきた役割は大きい。
母のような愛情で包み込み、思春期真っ只中の若いメンバーの心に寄り添っていただけでなく、どうやったらこの子は伸びるのか?かなり突っ込んで思考した上でサポートしていたように思う。
二人三脚で奮闘していたリーダーである綾巴は選抜仕事で抜けることも多い。
影で支えてくれていた珠理奈もしばらくは帰ってこれない。
そんな状況で
一番先輩で年上である自分が今ここで立たなくて、いつ立つのか?
彼女の心は熱くたぎったに違いない。
所々おどけた調子で、照れ隠ししながらも
しっかりとその想いを伝えてくれた。
「腹をくくってやると決めました!」
とまで言ったのは
移籍組の遠慮など、もういらない!
という彼女が抱えてきたジレンマに対して、ファンへの決別の宣言でもあり
わずかに残っていた後ろ向きな自分にも、そう言い聞かせたかったのではないだろうか?
ファンへのマジな”信頼”がなければここまでは言えないはずだ。
「こうやって、チームSを応援してくれるファンの皆様がいるからこそ、いま私たちはステージに立てています。あと、こうやって私を変えてくれたのはチームSのみんなです。ホントにありがとう!」
人はいつだって変われるんだ。
与えられた環境に甘んじることなく
厳しい道を選択した彼女の心意気が嬉しい。
言葉だけではない。
実際彼女のパフォーマンスは躍動感、表現力など誰が見ても
説得力があるものになっている。
かつてあの島崎遥香とともにかなりのダンス劣等生で居残り組だった彼女。
泣きながら共に帰ったあの日々...。
AKBの9期生はちょうどブームの始まりと同調するように加入した推され世代でもあっただけに
当初はSKEへの移籍も決して面白いものではなかっただろう。
デビュー時しばらくのフレッシュ感も良かったが
彼女なりの挫折や葛藤を経て、今また取り戻した輝きには格別なものを感じる。
ただカワイイだけではない心技体が整った、成熟したアイドルの魅力だろう。
正直、僕は今が一番いいと思う。
チームSの可能性にまたひとつ頼もしい光が差してきた。
移籍して4年目、来年には早くもデビュー10年目を迎える
ベテランアイドル山内鈴蘭のマジから、輝きから、しばらく目が離せそうにない!